トワイライトストラグル
プレイ人数 :2人
ルール難易度:ちょっと複雑
ジャンル :ウォーゲーム
所要時間 :180分
言語依存 :日本語版が発売中
ゲーム概要:
第二次世界大戦後の1945年、世界は二分しました。
アメリカを盟主とする資本主義・自由主義陣営と同時に、ソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営が対立しました。
1989年までの45年間の間、両超大国の間に軍事的な熱い戦争はなかったものの、冷たい戦争がずっと続いていました。
この44年間の間は歴史上では冷戦と呼ばれ、世界に多大な影響を与えました。
今度紹介するゲームは、この冷戦をテーマとした超大作ボードゲームです。
ゲームは10ターンに分けられ、1ターンは3から5年のスケールで進みます。
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セットアップ:
それぞれの陣営のプレイヤーを選びます。
ソ連(USSR)は序盤が有利で、終盤に連れてだんだん不利になります。
アメリカ(US)は序盤が不利で、終盤に連れてだんだん有利になっていきます。
初心者と経験者が対戦する場合、初心者はUSを使ったほうが良いと思います。
理由:初心者はかなり早い段階で負けると思います。しかし、ゲームのミソが掴められると思います。
USプレイヤーは全ての青マーカー、USSRプレイヤーは赤マーカーを手元に置きます。
それと、110枚のカードをEarly War, Mid War, Late Warの3つの山に分けます。(オプショナルカードあり)
Early War:39枚
Mid War:48枚
Late War:23枚
他の細かいセットアップはゲームのルール説明の所に説明します。
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ゲームのルール:
大きな世界地図がボードです。日本の住宅事情を度外視している大きさです。
ゲーム中にはこのボードをめぐって白熱した戦いが繰り広げるので、早めに慣れておきましょう。
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初期セットアップ
ゲームボード上には色々な国が乗っていますが、これらの国の下に二つの箱があります。
右の箱にはUSSRのマーカーを置くためのもので、左の箱はUSの青マーカーを置くためのものです。
一部の箱の右下に小さく数字が書いてあります。
それぞれの数字に応じて、影響マーカーを配置しましょう。
国を影響下に置く
このマーカーは影響力と言い、影響力があるレベルを達すると、その国は自分の超大国の影響下になります。
必要な影響力は国によって異なり、その値が国の名前の右に書いてある数値で示されています。
その数値分の影響力が置いてあれば、該当する国は自分の影響下になります。
この場合は、マーカーを色付きの方にして、影響下を示します。
しかし、相手の影響力も置いてある場合、その分を超えなければなりません。
安定値の分の影響力が超えていなければ、両方のマーカーを白にし、中立国を示します。
相手プレイヤーの影響力を安定値の分を上回れば、該当する国は再び自分の影響下になります。
この影響力はどのように配置するのかというと、カードを使って配置することが出来ます。
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係争地の判別
国の名前の背景色から判断できます。
背景色が紫色の国は係争地です。
背景色がベージュの国は非係争地です。
係争地は色々とゲームに影響をあたえるため、真っ先に抑えておきたい国と認識しましょう。
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ターンの流れ
このゲームは10ターンに分けて行われます。1ターンの流れは下記のようです。
A.デフコン回復
B.カード補充
C.ヘッドラインフェイズ
D.アクションラウンド
E.軍事作戦状況の確認
F.保留カードの公開(トーナメントのみ)
G.「中国カード」を表にする
H.ターンマーカーを進める
I.最終得点(第10ターンのみ)
1ターンはこのように細分化されています。それでは順に追って説明します。
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デフコン
このゲームではデフコンがとても大きな役割を担っています。
デフコンとは、アメリカ国防総省が規定した戦争準備態勢を5段階に分けたものです。
5が平和で、1がいつでも核戦争ができる状態を示します。
デフコンが1になった瞬間、現在の手番プレイヤーが負けます。
また、デフコンのレベルによってクーデター及び影響力排除判定(後述します)の制限がかかります。
レベル5:平和です。制限はありません。
レベル4:ヨーロッパにクーデター及び影響力排除判定を行うことが出来ません。
レベル3:ヨーロッパに加え、アジアにもクーデター及び影響力排除判定を行えません。
レベル2:ヨーロッパとアジアに加え、中東にもクーデター及び影響力排除判定を行えません。
レベル1:核戦争が勃発しました。現在の手番プレイヤーが負けとなります。
ゲームの開始時はレベル5で始まります。
各ターンの開始時にはマーカーを1回復します。(5に向かって回復します。)
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カードの補充
このゲームはカード・ドリブン・システムを用い、カードでゲームを進みます。
ゲームの開始時にはEarly Warのカードのみを使用し、ターンが進むとMid WarやLate Warのカードが追加されます。
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Early War, Mid War, Late Warとは?
冒頭でも言っていたように、このゲームは10ターンにかけて進みます。
最初の3ターンの間はEarly Warと言い、Early Warと書かれているカードのみを使用します。
Mid War と Late Warのカードはそれぞれのターンに突入してから利用します。
つまり、4ターン目には Mid War、8ターン目には Late War のカードがデッキに加わります。
また、Early Warは他の時代と違って、手札の上限が8枚です。
Mid War と Late War の手札の上限は9枚です。
これは後述のアクションラウンドを行う回数は Early War が一回少ないゆえです。
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1ターン目の追加セットアップ
最初のターンのみに追加アクションがあります。
手札を確認した後に追加セットアップを行います。
USSRプレイヤーから始め、東欧諸国に影響力を6振り分けます。
続いてUSプレイヤーは西欧諸国に影響力を7振り分けます。
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ヘッドラインフェイズ
お互いのプレイヤーが手札を確認し、その中のカードを1枚選んで、伏せて出します。このカードが「ヘッドライン」といいます。
ヘッドラインカードを同時に公開し、左上の数字(作戦値)が高い方からイベントが解決します。
作戦値が同じの場合、常にUSプレイヤーのカードから解決します。
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カードのイベント
カードのイベントを使用する場合、カード上に書いてあるテキストを適用します。
もし何らかの事情によって適用できない場合、イベントは解決されません。
カードの名前の後に「*」マークのあるイベントが解決された場合、そのカードをゲームから除外します。
カードの名前の下に赤線が引いてある場合、ゲームの進行に何らかの影響を及ぼすという意味を持つので、見える所に残しましょう。
アクションラウンド
Early War ではアクションラウンドが7ラウンドあって、Mid War と Late War では8アクションラウンドを行います。
アクションラウンドは常にUSSRプレイヤーから始めます。
アクションラウンドでは手札にあるカードを1枚選び、それを使用します。
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カードの使用
カードは4種類に分けられます。
US陣営のカード(☆の色が白)
USSR陣営のカード(☆の色が赤)
中立カード(☆の色が2色)
得点カード(☆の色が2色かつ数字がない)
筆者が使っているハンガリーバージョンだと、☆の色が青と赤でも、カードの背景の旗でも見分けられます。
自分の陣営のカード、または中立カードを使う時、イベントを発動するか作戦値を使うかのどちらかを選べます。
イベント:カードに書かれているテキストをそのまま発動します。
作戦値:☆の中に書かれている数値分の作戦値を利用できます。利用方法は後述します。
相手陣営のカードを使用する場合、作戦値のみ使用可能ですが、イベントも発動します。
イベントと作戦値利用の順序はカードを使った側が選べます。
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作戦値
作戦値はこのゲームの一番大きなミソです。
カードによって異なりますが、全てのカードが1から4作戦値を振り分けられています。
この作戦値の使い方は4つありますが、すべての作戦を一つの使い方でしか使えません。
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影響力の配置
影響力が配置してある国またはその隣接している国に影響力を配置します。
基本的には作戦値1に付き影響力を1つ配置できます。
既に影響力が置かれている国に影響力を配置できます。
もしくはその隣接国にも影響力を配置できます。
隣接国に影響力を配置し、更にその隣接国に配置することは出来ません。
しかし、相手の影響下にある国に影響力を配置したい場合、作戦値2に付き1つしか置くことが出来ません。
作戦地は1ずつ配置するため、1つ目の影響力を配置した後に該当する国が中立国になった場合、以降の影響力は1作戦値で配置できます。
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影響力排除判定
対象国に配置されている影響力を減少します。
1作戦値につき1つの国に行うことが可能です。同じ国に複数回行っても構いません。
相手の影響力がある国であれば、どこでも対象にできますが、デフコンのレベルによって対象できなくなる国があります。
お互いのプレイヤーがダイスを振ります。
その出目に
・隣接している支配国ごとに+1
・対象国における影響力が相手より多ければ+1
・自分の超大国に隣接していれば+1
を計算し、出目が高いプレイヤーの出目の差分だけ相手の影響力を排除する事ができます。
※注:自分の影響力が排除される可能性もあるので、基本的には自分の影響力が配置されていない国に実施したほうが賢明です。
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クーデター
対象国にある影響を反転する試みを実行します。
相手の影響力がある国であれば、どこでも対象にできます。
係争地にクーデターを起こした場合、デフコンのレベルが1下がります。
使用したカードの作戦値の分だけ軍事作戦マーカーを進めます。(詳しくは後述)
ダイスを振り、ダイスの出目と使用した作戦値の合計が対象国の安定値の2倍を超えた場合、
その分の相手影響力を減らします。更に超えた分は自分の影響力を配置します。
宇宙開発競争
宇宙開発競争は原則的、1ターンに一回しか使用できません。
宇宙開発競争を行い、できるだけ相手よりゲームを上手く進めましょう。(真っ赤な嘘)
宇宙開発競争は他の3つの作戦値を使う場合と異なり、相手陣営のカードであろうが、イベントが発動しません。(本音)
カードを宇宙開発競争に利用する場合、次の宇宙マスの下に記載されている○Opsの○の作戦値を超えていることが条件です。
最初の4回は2 Opsで、次の3回は3 Opsで、最後のマスは4 Opsです。
その後にダイスを振り、下のダイスの範囲に記載されている範囲内であれば次のマスに進みます。
マスの左下に「2/1」などが記載されていますが、これは最初にこのマスにたどり着いた人が前のVPを得られます。
次にこのマスをたどり着いた人は後ろのVPを得ます。
また、いくつのマスには特殊効果があって、相手よりも進んでいる場合その恩恵が得られます。
相手が該当するマスに到達したら、その特殊効果の恩恵が直ちになくなります。
2マス目:動物宇宙飛行(Animal in Space):1ターンに宇宙開発競争を2回行うことができます。
4マス目:有人宇宙飛行(Man in Space):ヘッドラインフェイズ(後述)時に、相手が先にヘッドラインを公開しなければなりません。
6マス目:宇宙遊泳(Space Walk):ターンの終了時に、保留カードを捨て札にしても構いません。
8マス目:宇宙ステーション(Space Station):アクションラウンドを8回行うことが出来ます。
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得点カード
得点カードを使用すると、対応した地域の両プレイヤーの得点が精算され、VPが得られます。
得点を計算する際に、両プレイヤーが対象地域での影響レベルに応じて得点が得られます。
例外として、ヨーロッパの支配はVPではなく、直ちに勝利となります。
存在(Presence):対象地域に1つ以上の支配国を持っています。
優勢(Dominance):対象地域において相手よりも多くの支配国を持ち、相手よりも多くの係争国を支配しています。また、一つ以上の非係争地を支配しています。
支配(Control):対象地域において相手よりも多くの支配国を持ち、かつ全ての係争地を支配しています。
また、得点カードを保留し、ターンを持ち越す事はできません。
保留していた場合は、ゲームの敗北となりますのでご注意ください。
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VPについて
最終勝利はもちろん、ゲームの勝敗が途中で判明する要因の一つでもあります。
このゲームのVPシステムはいわゆる綱引システムです。
USが点数を入ると、USに向かって点数が進みます。
USSRがVPを獲得すると、USSRに向かってVPマーカーが移動します。
いずれかの超大国のVPが20に達した瞬間、そのプレイヤーが直ちに勝利となります。
軍事作戦状況の確認
クーデターや戦争カードを使用すると、軍事作戦マーカーが進みます。
軍事作戦マーカーがデフコンのレベルよりも高ければ、軍事作戦要件が満たしていると扱います。
各ターンの終了時にいずれかのプレイヤーが軍事作戦要件を満たしていなければ、その分のVPを失います。
保留カードの公開(オプショナル)
イレギュラーが発生しなければ、手札が1枚残るはずです。このカードが保留カードと言います。
この時に、手札に残っているカードが得点カードであれば、所持しているプレイヤーが即座に敗北となります。
これを確認するために保留カードの公開を行いますが、カードの下に「保留不可」が記載されていないことを確認できれば問題はありません。
カジュアルでプレイする場合は、公開はせずに、素直に認めましょう。
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中国カード
中国カードはUSSRプレイヤーが所持した状態でゲームが始まります。
このカードは表向きであるかぎり、手札にあるかのように使用できます。
しかし、中国カードを使用した場合、このカードを捨て札にするのではなく、裏向きに相手プレイヤーに渡します。
ターンの終了時に中国カードが裏向きの場合はそれを表向きにし、次のターンに使用できるようになります。
また、ゲームの終了時に中国カードを所持しているプレイヤーは1VPを得ます。
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中国内戦バリアントルール
序盤でUSSRが中国カードを所持しているため、かなり有利にすすめるケースが多いです。
これを解消するためには、このバリアントルールが追加されました。
このバリアントルールが追加されると、USSRに隣接している中国という国があり、USSRの影響マーカーしか配置することが出来ません。
USSRが中国に3影響マーカーを配置しないかぎり、中国内戦が平定せず、中国カードがどの陣営にも属しません。
USSRが中国内戦を平定するまでには、幾つかの制限や特殊ルールが適用されます。
①USSRプレイヤーが「共産主義の驚異/追放」と「文化大革命」のイベントを使用できません。
②USプレイヤーは「台湾決起案」のイベントを使用できません。
③「ウスリー川紛争」及び「ニクソン訪中」のイベント解決時、USプレイヤーが中国カードを所持しているとみなします。
④「朝鮮戦争」の判定時に、-1の修正を得ます。
⑤最終得点計算する場合、中国カードはどちらにも属さないため、0 VPとなります。
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ターンマーカー
ターンマーカーを1進めます。
Mid War もしくは Late War に突入した場合、該当するカードを現在のデッキに加えてよくシャッフルします。
それを新しいデッキとします。
もし現在は10ターン目の場合、ターンマーカーをこれ以上進めずに、最終得点計算をします。
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最終得点計算
10ターン目でも勝利が決まらない場合、最終得点計算をします。
ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、中米、南米の6地域の得点を計算し、現在のVPに加算します。
全ての得点を計算した後に、より高いVPを持っているプレイヤーが勝ちとなります。
VPが0のままの場合、引き分けとなります。
また、最終得点計算の際にいずれかのプレイヤーがヨーロッパの支配を取っている場合、直ちに勝利とみなします。
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個人感想:
★★★★★★★★☆☆(8/10)
とても面白い!
戦略性が高く、自由度も高い上にルールは複雑すぎないのがとても良い感じです。
9/10にするか迷っているぐらいでしたが、3時間というネックで8にしました。
(とは言え、未だに最終得点計算したことがありませんので、大抵90分ぐらいのゲームでした。)
やればやるほど面白いゲームなので、食わず嫌いを言わずに、一度やっておくべきゲームです!
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ダウンロード関連
筆者が使用しているハンガリーバージョンのカードはこちらからダウンロードできます。
また、僭越ながらカードリストや筆者のひと言コメントが記載しているリストを作りました。
良かったらダウンロードしてお使いください。
他に筆者のボドゲの師匠が作ったレジュメもありますので、
興味のある方はぜひダウンロードしてお使いください。
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